着物を着付けるとき、一番はじめに足袋を履きます。
その足袋について。
以前は白足袋は改まった時のもので、普段は色足袋を履いていました。職業により、色が決められており「足下を見る」とはここからきたのではないかと云われています。
狩り装束には紺キャラコ(綿100%)。奴さんは紫足袋。茶坊主衆はウコン(黄)。武士は小桜や松葉。荒武士は蜻蛉(とんぼ)や巴(ともえ)。
歌舞伎十八番の助六、足袋は卵色の二枚鉤(にまいこはぜ)。江戸庶民の理想「かぶく男」を表しているのでしょう。いわゆる「江戸の粋」です。
現在は五枚鉤が主流ですが、大工さんは三枚鉤が主流でした。鉤の数が少ない方が動き易いのです。
日舞などでは五枚鉤を履きますが、舞台へ上がるまではさらに足袋カバーを重ねて履き、直前まで汚れぬようにしておきます。その際、非常に動きにくいので、大概の方は足袋カバーの鉤を外したままです。
大工さんがなぜ三枚鉤や地下足袋にされていたのか納得がいきます。
ほかには、ストレッチ生地でナイロンやポリエステルなどが入った靴下に近い伸縮性のあるものや、華道や茶道の長時間の正座でも痛みをやわらげる綿入り足袋(わたいりたび)などがあります。
行く場所や気分に応じて、足袋をいろいろ変えてみるのも良いですね。